ガチャガチャDIY:子供と一緒に作る楽しい仕掛け(後編)

Make(つくる)

前回の記事では、家にある段ボールやペットボトルといった身近な材料を使って、オリジナルのガチャガチャの「土台」部分を作る工程をご紹介しました。カプセルが出てくる「出口」や、ハンドルを回す「機構」の一部が見えてきましたね。

今回は、いよいよガチャガチャの「心臓部」とも言える、中のカプセルが見える収容スペースや、お金を入れる部分を作っていきます! ここにも、「どうやったらうまく動くかな?」という、たくさんの工夫や発見がありました。

子供と一緒に「どんな仕組みかな?」と考えながら作るのって、すごく楽しいんです。さあ、後半戦、スタートです!

ガチャガチャの「仕組み」を覗いてみよう!後半のポイント

私たちがお店でよく見かけるガチャガチャを思い浮かべてください。中にどんなカプセルが入っているか、見えますよね? そして、お金を入れてハンドルを回すと、カプセルが1個だけ出てくる…。

今回作る「上半身」部分は、まさにこの「中が見える」「お金を入れる」「カプセルを出す」という、ガチャガチャらしさを決める大切な部分です。

前回の土台部分と合わせて、以下の仕組みを目指して作っていきます。

  • 中のカプセルが見える空間を作る
  • お金を入れたら、ハンドルが回せるようになる(お金を入れないと回らない)
  • ハンドルを回すと、カプセルが1個だけ出てくる
  • カプセルが出てきたら、またハンドルが回せなくなる

身近な段ボールやクリアファイルで、どこまで本物に近い仕組みが作れるか?! これが今回の挑戦です。

身近な材料で「心臓部」を作ろう!

さあ、実際に作っていきましょう。必要な材料は、段ボール、クリアファイル、ペットボトルなど、お家や100均で手に入るものばかりです。

ポイント1:中のカプセルが見える窓を作る

お店のガチャガチャって、透明なケースで中のカプセルが見えて、子供は「何が出るかな?」とワクワクしますよね。これを手作りで再現するにはどうしたらいいでしょう? 本物と同じプラスチックは加工が大変です。

ここで活躍するのが、クリアファイルです!

家で使わなくなったクリアファイル、ありますよね? 透明で薄いので、ハサミやカッターで簡単に加工できます。これを、カプセルを入れるスペースの「壁」として使います。

でも、考えてみてください。クリアファイルってすごく柔らかいですよね? そのまま立ててもフニャっとなってしまいます。どうやったらちゃんと立たせられるかな?

私たちは今回、段ボールをドーナツ型に切り抜いてガイドを作り、その溝にクリアファイルを挟み込んで固定する方法を試しました。

図1.クリアファイルを壁面として直立させるためのガイド

こうすることで、薄いクリアファイルでも、丸い壁のようにちゃんと立つようになりました! 家にある「使えそうなもの」を見つけて、それをどう工夫して使うか? これもDIYやものづくりの面白いところです。

カプセルを入れる底の部分は、荷造りロープやティッシュ、ペンキなどを使って、カプセルがスムーズに転がるように少し傾斜をつけて作りました。(この部分は作る人の工夫で色々できそうですね!)

ポイント2:お金を入れる口を作る

ガチャガチャにお金を入れると、ハンドルが回せるようになります。この「お金を入れる」部分も作ります。

お金を入れる穴を開けるのは簡単そうですが、重要なのは、その穴から落ちたお金が、前回の記事で紹介した「ハンドルロックを解除する仕組み」の狙った場所にちゃんと届くようにすることです。ここが少しでもズレると、お金を入れてもハンドルが回らない!なんてことになってしまいます。

図2.お金を投入する部分

段ボールで箱を作り、竹串などで補強しながら、お金の通り道と受け皿の位置を正確に合わせるように注意しながら作ります。こんな単純な部分にも、モノを設計するときの「正確さ」や「位置合わせ」の大切さが隠されているんですね。

ポイント3:カプセルを出し入れする「蓋」を作る

中にカプセルを入れたり、補充したりするためには、開け閉めできる「蓋」が必要です。全体のデザインも大事ですが、カプセルの出し入れがしやすい実用性も重要です。

どんな蓋の構造がいいかな…?と身の回りを見渡してみると、色々な容器に蓋のヒントがあります。私たちは、インスタントコーヒーの瓶の蓋の構造を参考にしてみました。

図3.インスタントコーヒー用の容器蓋

本体に「かぶせる」ように閉められて、少し引っかかりがあって簡単には外れない構造。これを段ボールで再現してみます。カプセルを入れる部分の上のサイズに合わせて段ボールを2枚切り出し、重ねて貼り合わせることで、本体に「はまる」部分と「かぶせる」部分を作り分けました。

図4.カプセル収容部蓋の2層構造

ちょっとした段差を作ることで、パカパカと開け閉めできる、でも簡単には取れない蓋が完成しました!

これを取り付けて、完成です!

図5.ガチャガチャ完成

作ってみて初めてわかった!なるほど!な「課題」たち

こうして頑張って作ってみたのですが… 実は、いくつか「あれ? うまくいかないぞ?」という課題が見つかりました。

課題1:あれ?カプセルがつっかえちゃう!

頑張って作ったガチャガチャにカプセルを入れて、ハンドルを回しても… なんだかカプセル同士が詰まってしまって、スムーズに出てこない時があるんです。実際に見てみると…

・・・落ちてこないんですよ。笑

お店のガチャガチャって、ハンドルを回すと必ずカプセルが「1個だけ」スムーズに出てきますよね。これって当たり前だと思っていましたが、実はすごいことなんだ!と、手作りしてみて初めて気づきました。

どうして手作りだとつっかえちゃうんだろう? それは、カプセルが出てくる穴に、一度に複数のカプセルが同時にアクセスしようとして、おしくらまんじゅうみたいになってしまうからです。

本物のガチャガチャはこんな感じの仕組みになっているようです。

本物のガチャガチャには、カプセルが出てくる部分に、「カプセルが1個しか通れないようにする」特別な工夫がされているんです。ハンドルと一緒に回る部分が、他のカプセルをせき止めて、ちょうど出口に来たカプセルだけを押し出すような構造になっています。

手作りで作る時に、この「カプセルが1個だけ出てくる」仕組みをどれだけ真剣に考えるか、ここがスムーズに動くかの分かれ道なんだ!と痛感しました。

課題2:お金を入れても、たまにハンドルが回らない?

もう一つ困った問題が。お金を入れても、せっかく解除されたハンドルロックが、また元に戻ってしまってハンドルが回せない時があったんです。

前回紹介した、お金が落ちるとストッパーが動いてロックが解除される仕組みはうまく動いているはずなのに、なぜだろう?

中を覗き込んで観察してみると、お金が落ちた勢いでストッパーがいったん動くものの、その反動で元の位置に戻ってきてしまっているようでした。前回の記事で、ストッパーが「たまたまいい感じの摩擦」で止まるように作った部分の「詰めが甘かった」のかもしれません。

お金が落ちる勢いを弱める(お金を入れる穴の位置を低くする?)とか、ストッパーが戻りにくくなるように、もう少ししっかり固定される仕組みにするとか、いくつか改善策が考えられます。

「なぜうまくいかないんだろう?」と原因を探って、「こうしたら良くなるかな?」と対策を考える。これは、エンジニアが不具合の原因を特定して改善策を考えるのと同じ、とても大切なプロセスです。

まとめ:手作りガチャガチャで、身近な「仕組み」と「考える力」を育てよう!

今回は、手作りガチャガチャの「心臓部」を作る工程と、そこで見つかった「なるほど!」な課題についてお話しました。

実際に作ってみると、カプセルが詰まったり、ロックがうまくいかなかったり… 思っていたようにいかないこともありますが、それこそが学びのチャンス! 「どうしてこうなるんだろう?」と考え、工夫する力が育まれます。

そして、「お店でいつも見かけるガチャガチャって、こんな見えないところで、こんなに工夫されているんだ!」と、当たり前だと思っていたモノの裏にある知恵や技術に気づくことができます。

段ボールやペットボトルといった身近な材料でも、工夫次第で色々な仕組みを作れること。そして、作ってみて課題が見つかったら、原因を考えて改善策を試してみること。この一連の体験は、お子さんにとって、まさに生きるSTEAM教育となるはずです。

ぜひ、お子さんと一緒に、身の回りにある「仕組み」に興味を持ち、「どうなっているんだろう?」「どうやったら作れるかな?」と考えて、実際に手を動かしてみてください。きっと、たくさんの発見と学びがあるはずです!